概要
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DARKER THAN BLACK 黒の契約者
BONES(ボンズ)制作のオリジナルアニメ。
人気が出たのか、続編として「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」や、マンガなのでメディアミックスが展開された。
いつものように、このレビューでは1作目のみを対象とする。
人に勧められるか?
★★★☆☆ (5点中3点)
特殊能力者たちの日常と非日常。オチが気になるけど、あっさり楽しめる。
基本2話完結方式ということもあって、あっさり楽しめる。
毎回のように違う内容、ベクトル、テーマが出てくるのを、主人公を始めとした契約者という存在でうまくまとめてる印象。
ただ、オチが急にセカイ系っぽく、なんで主人公がそういう選択をしたのか、いまいち読み取れないのが残念。
ストーリー
契約者と呼ばれる、様々な対価を支払うことで特殊能力を使う事ができる存在が出てくる。
舞台は東京だが、東側(御茶ノ水あたり)がゲートと呼ばれる高い壁に塞がれ、偽物の空(契約者の存在が星として観測できる)が上空にある…という、独特な世界観。
その中で、契約者と人間、組織と呼ばれる謎の集団、MI6、CIA、警察と言った様々な立場にある人間の群像。
日常と非日常が入り乱れて、描かれる。
あらかじめ言っておきたいのは、個人的に本作はかなり好きな作品だということだ(もう何回見たかわからない)。
星が契約者の存在として観測できる…契約者が生まれると新星となり、能力を使うと瞬き、死ぬと星が流れる。
なんともロマンチックな設定じゃないか。
基本的に2話完結方式で、あっさり楽しめるし、日常と非日常がバランスよく描写されるのもいい。
個人的に本作の魅力は、その世界観、契約者の日常と非日常の描写のバランス、そして作品の雰囲気だと思ってる。
全体的にはダークな雰囲気なんだけど、笑えるシーンも多い。
あと、契約者の対価が独特(石を等間隔で並べる、異物を飲み込んで吐き出す、etc)なのもおもしろい。
これはもう、見てもらわないことにはこの魅力は説明できない。
ただひとつ勧めにくいのは、(なんとなくそんな雰囲気は出てたとはいえ)エンディングで急にセカイ系っぽい展開になることだ。
これはちょっといただけない。
ただまぁ他にどんなエンディングの盛り上げ方があるか?と思うと難しいのだが…。
なぜ、そんな展開になるのか?は見て欲しいところ。
勧めにくいと言うだけで、個人的には決して嫌いではない。
ただ、これまでの話の流れを考えると、主人公である黒(ヘイ)が、なぜその選択をしたのか?が読み取れないのが残念ではある。
心理描写豊かな本作ではあるが、黒の心理は(契約者は感情を持たないという設定だからか)なかなか描かれない。
なぜ、そんな選択をしたのか?という理由付けはもう少し欲しかった。
演出
主人公である黒の戦闘シーンと、MI6の面々の能力だろうか。
というか、本作の契約者同士のバトルは基本かなり熱い。
ついこの間見てた「東京喰種」と、同じバトルなのになぜこんなにも違うのだろうか?
まだその答えは出せていないが、ひとつ思うのは視聴者に喜怒哀楽や驚きを与えられるか?それによってドラマ性があるか?じゃないか…とは思ってる。
この点について、個人的にはもう少し思慮を深めたいところ。
ちなみに、わたしは水樹奈々さんのファンだが、本作の霧原未咲の声が一番好きだったりする。
キリッとした声と、時々見せるだらけた声がいい。
なんというか、魅力的な大人の女性って感じだ 笑
音楽
特に前記のOPとEDが好き。
なにせabingdon boys schoolのダーティな曲調がとても作品の雰囲気にマッチしているし、Rie fuの落ち着いた雰囲気は銀(イン)の漂わせる穏やかな雰囲気にとても似合う。
とはいえ、後期OPも個人的にはけっこう好きだったりする。
イントロのギターリフが熱い。
ただ、後期EDはあんまり好きではない…。
HIGH and MIGHTY COLORらしくないからだろうか。
ちなみに、劇伴も熱いものが揃ってるので、いい。
個人的に刺さったシーン
黒と魏志軍(ウェイ・チージュン)のバトルだろうか。
この2人のバトルが一番熱く、作中で3回も戦うことになる。
特に、最後のバトルが熱いし、そのあとの2人の会話もいい。
この魏志軍が、なかなか契約者らしくない存在なのである。
最初見たときは、こんなに印象に残るキャラになるとは思わなかったな 笑
まとめ
結末がちょっと気になる以外は、基本かなりおもしろい。
今となっては(もう古いこともあって)ちょっとマニアックな存在である本作だが、個人的にはかなりオススメしたい。
….が、誰でも勧められるわけじゃない(やっぱり結末のところが気になってしまう)ので、このオススメ度にした。
興味を持ったなら、ぜひ見て欲しい。