概要
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TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』公式サイト
石田スイ氏のマンガが原作のアニメ、その2期。
ただし、この2期は原作にはないifストーリーが展開される。
ストーリー原案を原作者が手掛ける以外は、スタッフは1期とほとんど変わらない。
いつものように、このレビューは2期のみを対象とする。
人に勧められるか?
★★☆☆☆ (5点中2点)
ストーリー的なおもしろさがほぼなくなった。東京喰種ってバトルがメインだっけ?
1期にはあったストーリーのおもしろさ、魅力はどこへやら。
別作品か?と思うほどに内容が変わって、単なるバトルものになってしまった。
加えて、そのバトルもほぼ単調でおもしろくない。
東京喰種のおもしろさってなんだっけな。
ストーリー
この2期は、喰種としての自分を受け入れた研のその後が描かれる。
ただし、そのストーリーはオリジナルで、マンガ原作とは違う展開で描かれる。
その原案は原作者が手掛けるということで、オリジナルとはいえそれならば…と最初は思ったが、そんな安心感は数話で吹っ飛んだ。
まず、ほとんどがバトル的な内容で描かれる。
展開的にそうなるのは仕方ないのかもしれない。
東京喰種のおもしろさって、研の葛藤や悩みを丁寧に描いてたことと、人間の喰種の関係性がテーマだったはずだ。
本当はその路線で描いてくれてた方がおもしろかったのだろう。
しかし、喰種としての自分を受け入れた研が、そのあとどうするか…と考えると、そりゃバトルだろうな、と。
だが問題なのは、そのバトルがおもしろくないこと。
バトルがなぜおもしろくなるか?というと、そこに会話などの思いのぶつかり合いや、バトル自体の駆け引きがあるからだ。
ひいては、そのことで視聴者側に感情の変化…喜怒哀楽や驚きを生むから、おもしろいのだ。
だが、この東京喰種のバトルにはそれが感じられない。
ただ、武器と武器がぶつかり合って、吹っ飛ばされて…そんな展開が続く。
そんなバトルのなにがおもしろいのか?
そうは言いつつも、終盤になるとあんていくの襲撃、各キャラの思惑が明らかになって、おもしろくなってくる。
個人的には「おもしろくなるまでの前置きが長すぎる」と感じたところだ。
とはいえ、やはり中心にはバトルがあって、単調なことには変わりがないので「すごくおもしろい」とはならない。
ラストは、研と永近 英良の会話、そして悲しい結末を迎える…が、冗長だった。
どんなにいいシーンだろうと、あまりに長いと見る側の感情も希薄になる。
もしかしたら、その前までを丁寧に描いていたのであれば、冗長には感じなかった…かもしれないが。
結局、トータルではマイナスだ。
というわけで、総じて描き方、見せ方にセンスがなかったなと。
東京喰種のおもしろさってそこだったっけ?って感じざるを得なかった。
演出
相変わらず派手な演出はなし。
加えて、バトル自体にはさほど魅力はなかった。
描き方も特筆したものはなかった。
ラストシーンの描写が印象的でよかった…が、先ほども書いたように冗長だった。
いいシーンだったのにもったいない。
音楽
OP、EDいずれもいい曲だったし、映像もよかった…が、1期には及ばなかったな、と。
がしかし、OPの映像がかなり印象的で、しかもセンスが感じられる。
このOPだけでも見る価値があるかもしれない。
もちろん、1期を試聴したなら…という前提で。
なお、劇伴は印象に残らなかったので、ノーコメント。
個人的に刺さったシーン
やはり、最終話のラストシーンだと思う。
研の英良に対する後ろめたさ、気持ちに対する決着がきちんと描かれてたし、とても印象的に締め括られていた。
その前までが本当におもしろかったなら、もっと感慨深いものになっていただろうに…。
まとめ
というわけで、1期がめちゃくちゃおもしろかったので、とても楽しみにして2期を見たら…なんだこれ?ってなった感じ。
東京喰種のおもしろさ、魅力って何か?
バトルってどうすればおもしろくなるか?
そんなところをもう少し考えていたなら、もうちょっといい作品になったかもしれない。
期待値が高かっただけに、マイナスも大きい。
もちろん、勧める気にはなれない。