【アニメ】「東京喰種トーキョーグール:re」レビュー

概要

Webページ:
TVアニメ「東京喰種:re」公式サイト | 2018年10月第2期放送スタート

 

石田スイ氏のマンガが原作のアニメ、その3期(分割2クール)。

2期までとはスタッフが大幅に入れ替わってるので、演出やキャラクターデザインに違いが見て取れる。

また、ストーリーも2期からだいぶ時間があいた形になっている。

 
 

人に勧められるか?

★★☆☆☆ (5点中2点)

ストーリーはおもしろいのに、単調なバトルがすべてを無駄にしてる。

 

ストーリーパートだけでみると、キャラの心理描写や展開としてドラマチックな個所がいくつもあるので、おもしろい。

半面、本編時間のおよそ半分を占めるバトルパートは、ころころ切り替わるわ単調だわで、まったく盛り上がらない。

おもしろくなるストーリーパートどうしの間が長いので、おもしろくなるまでにかなり飽きが生まれる。

結果として、バトルパートがすべてを台無しにしてる。

 
 

ストーリー

ストーリーはアニメ2期からの続きなのか、それともマンガからの続きなのかはサッパリ読み取れないが、ともかく前回の戦いから2年経っているらしい。

それに合わせてなのか、主人公が金木研から佐々木琲世に切り替わっている。

まぁぶっちゃけ佐々木琲世の正体はバレバレなのだが…。

 

ただ、それ以上に気になるのはクインクス班の存在である。

あれだけ喰種を毛嫌いしてたCCGが、半ば喰種のような存在である「クインクス」を捜査班に加えるというスタンスの変化。

それがたった2年と少々で日常と化してることに違和感がある。

もともとクインケという、喰種の能力を兵器に使うような組織である。

いずれは「クインクス」のような存在が出てきてもおかしくはない。

がしかし、それが検証、試験導入、本運用開始、日常化…というプロセスが、2年少々で実施可能なのだろうか。

それ以上に気になるのが、CCGが組織として「クインクス」の存在を仲間として受け入れてるスタンスの変化だ。

劇中でも、喰種の存在を味方として受け入れることに強く抵抗するCCGのメンバーが複数いることが確認できる。

そんな組織のスタンスが、たった2年で意識改革可能なのだろうか。

よっぽど強いリーダーシップがないと難しいのではないか?と思うのだが。

 

その一方で、2期のときから問題としてあったバトルパートの単調さが相変わらず出てる。

しかも、前回は1クールだったのでまだよかったが、今回は2クールである。

単調に感じる期間がより長くなってる。

バトルにドラマ性がないと、作品全体の評価を下げる。

 

ストーリー自体はけっこうおもしろいのだが。

終盤になって、思い出したように「人間と喰種の共存」というテーマをまたやりはじめる。

さんざんバトルしといてそれかよ…という気もしなくはないが。

このテーマだけを考えてバトルを考えてれば、も少しマシな内容になったかもしれないのに…。

ただし、瓜江 久生の人物描写だけは微妙。

瓜江だけやたら心理描写(っていうか、考えてることが脳内セリフとして)存在するのに、その心理の変化が全然描かれてない。

最初は仲間なんかどうでもいいみたいな考えだったのに、それが後半になるにつれて変わる。

それ自体はいいのだが、その変化の過程が全然描かれないので、なんで変わったのか?がいまいちハッキリしない。

脳内セリフを用意するようなキャラならば、そのあたりをしっかり描かなければ無意味だと思う。

 
 

演出

2期までには存在しなかった、各キャラの名前を表示させる演出が増えた。

まぁキャラ数がめちゃくちゃ増えたからね、ないと見る側も混乱する。

これはいいところ。

あとは、金木研(佐々木琲世)のヴィジュアルの変化だろうか。

精神、あるいは記憶やスタンスの状況によってヴィジュアルが変化するのだ。

まぁリアリティを考えればあり得ないことだが、そこでリアリティを重視するよりも、ちゃんと見た目で心理面の変化が分かるようにしたのは、いいところだと思う。

 
 

音楽

前期、後期ともにOPがかなりカッコいい。

特に、後期OPにTK from 凛として時雨を据えてるのがいい。

やはりTK from 凛として時雨の曲から始まったのだから、そこに戻ってくるという形になっているのが、作品として花を添えている感が出てる。

後期EDもなかなかよい…が、穏やか内容が作品のクライマックスに向けて合っているか?と聞かれると「まぁ違和感はないよね」って感じ。

 

ただし、前期EDはダメだ。

曲がダメなのではなく、映像がダメ。

クインクス班の日常を描くかのような内容になってたが、この作品でそれって本筋ではなかったはずだ。

ゆえに、あそこだけ浮いているような印象を受ける。

なんであんな映像を選んでしまったのか。。。

 
 

個人的に刺さったシーン

金木研が「この先、どんなことが起こるが知ってたとしても、やっぱり自分はあの日リゼさんに会いに行ったと思う」というようなセリフがあったシーン。

最初は人間で、数奇な運命に巻き込まれてここまで喰種として生きてきた金木研の、最後に出した答えがこれかと思うと、やはり熱い。

 
 

まとめ

無意味に長いバトルパートがすべてを台無しにしてる。

あのバトルの描き方では、単なる尺稼ぎと言われても仕方がない気がする。

バトルにもう少しドラマチックなものを入れてれば、全体的におもしろくなっただろう。

ストーリー自体はとてもおもしろいだけに、とても残念。

 
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です