概要
Webページ:
戦姫絶唱シンフォギア 公式サイト
音楽をテーマにし、歌いながら戦う…という、独特なスタイルの変身モノのアニメ。
コアなファンが多いようで人気があるのか、TVアニメは5期まで制作されている。
なお、本レビューではアニメ1期のみを対象とする。
人に勧められるか?
★★★★☆ (5点中4点)
設定の理屈そっちのけで、友情・努力・勝利を地で行くようなアニメ。
今どき珍しい作風だと思う。
全体的に独特な世界観を構築している一方で、分かりやすい真っ直ぐなストーリー。
確かに軸はしっかりしているため、誰が見てもおもしろいのだと思う。
難点はというと、やはりその独特な世界観自体だろう。
変身スーツ、技名のカットイン、歌いながら戦うスタイル、特訓風景…と、いろいろツッコミどころが多い 笑
これが受け入れられるかどうかが、評価を分けると思う。
ストーリー
友情・努力・勝利を下地にしているストーリーで、とても分かりやすい。
主人公・立花響と風鳴翼の確執をはじめとした、キャラ同士の衝突と和解。
立花響のシンフォギア奏者としての特訓。
そして、特異災害対策機動部二課の本当の敵との戦い、勝利。
その勝利のための、立花響たちシンフォギア奏者が放つ技が、まさにそれを表している。
一方で、ストーリーの伏線も用意されているし、それを回収するような展開もちゃんと用意されている。
まぁぶっちゃけ、敵の正体は途中からバレバレになるのだが。
どちらかというと、敵の目的とそのための準備の方が、見る側にとって伏線になっているか。
個人的には、立花響や、そのほかのキャラのそのキャラクター性にきちんと言及されていることを評価したい。
例えば立花響でいうと、響の戦う理由の変化について、である。
最初は単純に「誰かの助けになるのなら」という理由で戦うのだが、その異常性について言及される。
物語の主人公らしいといえばらしいのだが、普通は簡単にそんなふうには考えられない…ということだ。
また、物語が進むにつれて、その変化についても語られている。
一方で、理屈はそっちのけなのでツッコミどころがそれなりにある。
ひとつが、風鳴弦十郎の人間離れした強さの謎である。
シンフォギア装者のぶっ放した一撃を生身で止めてしまう彼は、いったい何者なのか?
どうやらカンフーが好きで、映画を見て特訓をしているようではある…のだが、それだけであんな強さになるワケあるか!
ふたつめが、なぜ天羽奏が絶唱した時はそのまま消滅したのに、それ以外のキャラが絶唱した時は生きているのか?
ストーリー上、最初に絶唱するのは天羽奏であり、その時に奏は消滅してしまうため、視聴者には「絶唱したらその奏者は死ぬ」というイメージが植え付けられる。
だが、それ以降は何人も奏者が絶唱するが、消滅するものはいない。
「あれ、絶唱したら死ぬんじゃないの??」ってなるはずだ。
そのことについて、明確な説明はない。
それ以外にも、細かなツッコミはかなり多い。
おそらく作風的に、そんなツッコミをしてはいけないのだろう。
あるいはそのツッコミを楽しむのが吉か…。
演出
本作で特に目立つのが、その独特な演出である。
まず、絶妙にダサいデザインの変身スーツ。
技名のカットインが入るのも、決してカッコよくはない…笑
のだが、ここまで世界観を作り込まれると、なんだか逆にカッコいいような気がしてくるから不思議だ。
最後まで見ると、もはや違和感はなくなっている。
それだけ分かりやすく、しっかり軸があるストーリーが優秀な証拠だと思う。
音楽
音楽をテーマにしているだけあって、どの曲もなかなか優秀だと思う。
特に、第1話のライブシーンはなかなか圧巻だ。
それ以外でも、戦闘中に歌う歌はどれも印象に残りやすい。
個人的に刺さったシーン
ひとつが、最初に立花響と風鳴翼が戦うシーン。
風鳴翼について、最初にそのキャラクター性の片鱗が見えるシーンでもあるし、先ほど書いた風鳴弦十郎の人間離れした強さが描かれるシーンでもある。
このシーンを見ただけでも、この戦姫絶唱シンフォギアがどういう作品なのかよく分かる 笑
もうひとつが、最終話で敵に対して技をぶっ放すシーン。
立花響の強さとは?の答えが描かれているシーンでもあるし、そこにその技名を持ってくるか!と驚くシーンでもある。
まとめ
ストーリー自体はとてもおもしろいのだけど。
この独特の世界観がどうにも…笑
いや、おもしろいとは思うんだよ?