概要
Webページ:
ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER)|公式サイト
※TVシリーズ、OVA、劇場版1作目共通
TVシリーズ1期レビュー:
【アニメ】「ガールズ&パンツァー」レビュー
OVAレビュー:
【アニメ】「ガールズ&パンツァー これが本当のアンツィオ戦です! 」レビュー
女子高生と戦車がテーマのオリジナルアニメ。
本作では、TVシリーズの続きが描かれる。
例によって、本レビューではこのOVAシリーズのみをレビュー対象とする。
人に勧められるか?
★★★★☆ (5点中4点)
これまでの総決算。変わらぬ演出、設定、キャラたち。
TVシリーズ、OVAと変わらない作中の雰囲気、おもしろさ、魅力がある。
加えて、劇場版だからこそのオールスター感あるストーリー、演出と戦車の戦いは、ファンにはたまらないだろう。
さらに、劇場版での新キャラが何人かいて、既存キャラとは違った魅力と可愛さがあるのがいい。
個人的には、継続高校のミカが一番好き。
一方で、島田愛里寿の島田流の戦車道…忍者戦法と呼ばれる戦いかたがイマイチ伝わりづらかったのがマイナスポイント。
忍者戦法とはこういうものと、もう少し分かりやすい描写があってもよかったのではないか。
ストーリー
戦車道の全国大会で優勝し、廃校を阻止したかと考えていた大洗女子学園。
しかし、文部科学省の役人によると、廃校の決定を再検討するというのみで、廃校の撤回にはならなかったという。
再び、廃校の危機にさらされ、その撤回のためには大学選抜の戦車道チームに勝たなければならない。
戦車数も人数も圧倒的に不利な大洗女子学園のメンバーの前に、他の高校のメンバーが助けに駆けつけたのだった。
本作の最大の見せ場は、やはり後半の大洗女子学園+他校のオールスターチームと、大学選抜の戦車道チームの戦いだ。
その前にエキシビションの戦いや、大学選抜との戦いにいたる過程も描かれるが、すべてそのための布石にすぎない。
もちろん、その布石自体もこれまでのガルパンらしい、十分に楽しめる内容になっている。
さて、その大学選抜との戦いについて。
まず、TVシリーズとOVAを見てきたファンにとっては、これまでの出場校が全部味方として戦うというだけで、十分に魅力的に見えるはずだ。
これだけでこの劇場版の価値は十分なほど。
加えて、その大洗女子学園チームに参加したメンバーが、大洗女子学園らしい突拍子もない戦い方をしているのに加えて、それぞれの高校らしい戦いも見て取れる。
これまで見てきたファンはニヤリとするシーンが多い。
そして、最後の決着。
そもそも、西住姉妹と島田愛里寿の戦いが熱いのは、もちろんある。
加えて、TVシリーズであんなに熱い戦いをした西住姉妹が、本作では姉妹が強力して戦う様子が描かれるのは、ファンにとっては感慨深いところ。
一方で、戦いの前には西住姉妹の過去の思い出が描かれる。
TVシリーズ初期では妹のことなんか興味もないような様子だったまほだが、実はいつも妹のことが気になっていたのだ、ということが見て取れる。
西住姉妹の関係性を描くのも、この劇場版の重要なテーマだ。
これら2つをまとめると、これまで見てきたファン向けのファンサービス的な内容なのだ。
一方で気になったのは、島田流戦車道がどういうものか?というのがイマイチ伝わってこなかった点。
相手に合わせた変幻自在の忍者戦法というが、一番目立ったのはカール自走臼砲やT-28重戦車、センチュリオンによる単機での蹂躙である。
その戦い方は、どちらかといえばサンダース大学付属のそれを思わせる。
強力な相手であることを見せたかったのだろうが、イマイチうまく描けてたとは思えない。
演出
相変わらず、力の入った戦車の描写と、迫力ある戦車での戦闘シーン。
加えて、遊園地という舞台での戦いのため、周囲のセットを使った描写がとてもうまかったと感じた。
ファンの期待にしっかりと応えている。
音楽
TVシリーズに引き続き、場面場面で印象的な劇伴が流れる。
劇伴を聞けばそのシーンが思い浮かぶのは、やはりそれだけ劇伴が優秀な証拠だ。
中でも個人的には、やはりミカのカンテラがお気に入りだ。
個人的に刺さったシーン
ミカが好きなので、継続高校のBT-42が活躍するシーンがたまらない。
パーシング3輛を相手に翻弄する戦いを見せたあのシーンは、本作屈指の熱いシーンである。
そして、やはり最後の西住姉妹と島田愛里寿の戦い。
まさに手に汗握る、思わず画面に集中してしまう熱い戦いである。
ちなみに戦い以外では、風紀委員チームのぐれっぷりがおもしろかったかな。
まとめ
全方位で、まさにファン向けの内容で満ち満ちている劇場版アニメ。
そりゃ売れるわ。
最終章も時間がかかるだろうけど、完成を待ちたいと思わせてくれる。
できれば、もっとミカの出番を増やしてください。