【アニメ】「氷菓」レビュー

概要

公式Webページ:
TVアニメ「氷菓」オフィシャルサイト

 

先日から話題に上がりっぱなしの京都アニメーション放火事件。

個人的には、あれは放火ではなくもはやテロ事件であると考えている。

京都アニメーションは好きなアニメ製作会社であるし、これから生まれてきたかもしれない数々のアニメが、もう生まれてこないかもしれないと思うと、やはり犯人は許せない。

実名報道自粛を依頼している京都アニメーションの意思をくみ、名前は言わないが…著名な監督や実績のあるスタッフが帰らぬ人になった可能性が高いことを思うと、憤りを隠せない。

ただ、私怨で何かしたい等の恨みをいうのはどうかとも思っているので、法のもとで厳正に処罰されて欲しいとだけ願う。

 

さて、それをキッカケにして見直したのが本作である。

ちょっとした事情もあり、個人的に京都アニメーションで一番好きなアニメである。

実は、数少ないBlu-rayを持っているほど好きなアニメでもあるので、事前知識はいつも以上に多分にあることを注意書きとして書いておく。

 
 

ストーリー

省エネを信条とする折木奉太郎が、古典部部員たちといっしょに、日々起こる様々な問題に挑みつつ、繊細かつときどき心が痛む青春を過ごしていく。

 

本作をざっくり説明すると、青春の痛みをテーマにした、人の死なないミステリである。

数々の証拠を元に真相にたどり着く様子は、まさにミステリのそれである。

…が、通常のミステリとの違いは、「それって最初から〇〇(劇中に出てくる人の名前)に聞けば解決するんじゃないの?」というような内容ばかりということである。

そこが本作の好みを分けるところではないだろうか、と個人的には感じる。

 

しかし、個人的な感想では、「氷菓」の最大の魅力はそこではない。

どちらかというと、「青春の痛みをテーマにしている」の方が重要である。

リアルの話を持ち出すのもどうかとも思うが、人間関係というのは痛みを伴う…というのは言うまでもない。

その中でも、青春時代というのはその痛みがより先鋭になりやすい。

発するほうの行動や言葉が無神経すぎたり、逆にその行動や言葉をより神経質に感じ過ぎてしまったり。

 

そういった部分をちゃんと描けていること、それを繊細に扱っていることが「氷菓」の魅力だと考えている。

氷菓」は気遣いと思いやりの物語なのだ。

それこそ、まさに青春時代の奥ゆかしいやりとりである。

 
 

演出

演出もまた、さすが京都アニメーションと思わず言ってしまうような、素晴らしいものだ。

ミステリというと画面の描写がどうしても単調になりがちである。

 

引き合いに出すのもどうかとも思うが、「名探偵コナン」の場合、推理シーンは登場人物同士の会話シーンと回想で構成される。

それでも十分飽きさせないのだが、「氷菓」はさらにひねりを入れている。

ときには回想だったり。

ときには文字をうまく使って表現したり。

ときには背景シーンを頻繁に切り替えたり。

とにかく細かな工夫が多いのだ。

 

特に個人的に評価したいのは、登場人物が知らない(名前だけ知ってる)人間が会話に出てきた場合、その顔が徹底して描かれないことである。

登場人物が知らない人物の顔は描かない。

それによって視聴者に先入観やイメージをあえて与えていないのだ。

これをしっかりやってるアニメは案外多くない。

キャラクターというものを重要視している、何よりの証拠だと思う。

 

それ以外にも絵的な美しさ、会話劇の中での表情や声優の演技など、目を見張るシーンが多々ある。

 
 

音楽

ベタ褒めで申し訳ないが、音楽も素晴らしいのだ。

劇中曲の中でもクラシックの曲が素晴らしく、とても作中の雰囲気に合っている。

若さを考えればもう少しポップな曲の方が合いそうな気がするのに、実際はまったくそんなことはない。

主要キャラのイメージに合っているせいなのかもしれない。

 

一方で、OPとEDはポップな曲であるのがアニメらしい。

特にEDはヒロイン2人の声優が歌っているが、前期と後期ともに名曲だと思う。

前期と後期でイメージはまったく逆なのだが…。

と言いつつも、個人的に一番好きなのは後期OPである。

軽快なポップな曲なのだが、ぜひ一度聞いてほしい。

 
 

個人的に刺さったシーン

 個人的な趣味で申し訳ないが、文化祭のえるのコスプレ写真を、奉太郎に見られたかもしれないと気づき、気まずくなる2人のシーンである。

あの描写は素晴らしいと思う。

ちゃんと気恥ずかしい仕草、気まずい態度が表現できている。

ああいった細かな描写ができる製作陣はなかなかない。

 

もうひとつが…細かいが、図書室に毎週返却される本の謎を奉太郎が説明するシーンである。

移動しながら語るシーンなのだが…これが言葉にしづらいが、京都アニメーションの工夫が見て取れるシーンなので、気に入っている。

どちらも、ぜひ一度は見て欲しい。

いや、もちろん全編通してちゃんと見て欲しいのだが。

 
 

人に勧められるか?

5点中5点。

間違いなく人に勧められる。

間違いなく好みは分かれるかもしれないが、ぜひ一度は見て欲しいアニメだ。

ストーリー、演出、音楽とどれにも大きなマイナスポイントがない。

わたしが、普段アニメ見ない人に「アニメ見たいんだけど、どれがオススメ?」と聞かれたら、ほぼ間違いなく本作は入れる。

相手によって、あのアニメは入れてもいいか?あのアニメは外すか?と試行錯誤するだろうが、本作はまず入れる。

そのくらいのアニメである。

わたし自身、実はまだ聖地である飛騨高山に行ったことがないのだが、いずれ行きたいと考えている。

掛川の花鳥園には何度か行っているのだが。。。

 
 

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