概要
Webページ:
TVアニメ『東京喰種トーキョーグール』公式サイト
石田スイ氏のマンガが原作のアニメ。
アニメは4期まで(3期と4期は分割2クール)、OVAが2本制作されている。
このレビューでは1期のみを対象とする。
人に勧められるか?
★★★★☆ (5点中4点)
ストーリーは文句なしにおもしろい。グロ描写が耐えられるならオススメ。
とにかくストーリーの出来がいい。
主人公の葛藤と苦悩が描かれ、きちんと結論まで描かれている。
また、他のキャラもみな個性的で、ストーリー全体を盛り上げている。
ただしテーマ上、グロ描写がかなり多く詳細に描かれるので、そういうのが苦手だったらオススメできない。
ストーリー
本作では、人間と喰種(グール)という「人間の見た目をした、人を食らう生き物」の戦いや関係性がテーマになっている。
その世界で、とある事故で人間と喰種のハーフにされてしまった主人公・金木 研の葛藤や苦悩が主に描かれる。
1期の最後、喰種である自分を受け入れる(喰種成分の元となった神代 利世を支配する)という結論にたどり着くまで、きちんと描いてるのがいい。
また、研はこれまでどんな場面でも「選択しない」まま済ませることが多かった。
だが、時には「選択しなければならないこと、選択できる強さが大事であること」を知り、その強さを得る。
この丁寧な心理描写が、本作の最大の魅力だ。
加えて、研のまわりの喰種も個性的かつ、人間に対する考え方もバラバラであるのが、とても魅力的である。
単に捕食対象として無差別に食らう喰種もいれば、共存を考え密かに生きる喰種もいる。
その考え方の違いもおもしろいし、その考え方の違いで変わる行動も、またおもしろい。
そういったところを丁寧に、おもしろく描いている。
こんな風にとてもおもしろいストーリーなのだが、魅力と引き換えにグロ描写もかなり多く、そして詳細に描かれている。
そういった描写が苦手だと、どうしてもテーマ上避けることができない部分でもあるので、オススメができない。
まぁそのグロ描写こそが、「人間と喰種、捕食する側と捕食される側」というテーマについて、ストーリー性を高めるのに一役買っているのだが。
演出
全体的に演出にかなり力が入ってる。
最終話の、研のうちなる喰種としての自分(リゼ)との対話、そして結論を出した研のビジュアルの変化…という演出が特に印象に残る。
それ以外だとあまり派手な演出はない…が、その分丁寧さがある。
喰種同士の戦闘、人間と喰種の戦闘、喰種の捕食などなど。
戦闘で言えば、個人的には月山 習と霧嶋 董香の戦闘シーンが一番熱いし、盛り上がったように感じた。
音楽
OP、EDいずれも作品に雰囲気にあっていて、かなりいい。
どちらも選んだ人のセンスを強く感じる。
加えて、流れる映像もかなり作品の世界観を構築するのに一役買っている。
個人的には、曲はOPの方が好きで、映像はEDの方が好きだ。
それにしても、凛として時雨のTKの歌声、その曲調がこんなにあうアニメってそうそうない気もする。
「PSYCHO-PASS」もかなりよかったけど。
個人的に刺さったシーン
やはり最終話の、研のうちなる喰種としての自分(リゼ)との対話、そして結論を出した研のビジュアルの変化…という描写が、一番熱い。
これまで、喰種としての自分を忌み嫌っており、そして戦うことができなかった研が、あんなにまで戦えるようになるとは…と、感慨深くなるものだ。
一方で、董香の喰種としての姿を見て、西野 貴未がキレイだと言ったシーンも印象的だった。
人間と喰種は共存可能なのか?というテーマに、一役買っていると感じる。
また、そのあとの憂いを感じる董香も、またいい。
まとめ
ストーリー、演出、音楽と全体的に完成度が高い作品。
もし、グロ描写が平気だったら、ぜひ見て欲しいアニメ。
それも含めて、本作のテーマであることを感じてもらえると思う。