概要
Webページ:
TVアニメ『ヤマノススメ』公式サイト
しろ氏のマンガが原作のアニメ。
人気作で、アニメが1期〜3期、OVAも制作されている。
1期では4分アニメだったのに、2期以降は14分に伸びているのも特徴的で、おもしろい。
それだけ人気がある証拠なのだろう。
なお、このレビューでは1期のみを対象とする。
人に勧められるか?
★★★★★ (5点中5点)
登山の楽しさ、敷居の低さをアピールしながら、きちんとキャラ描写もできてるアニメ。
最近よくある、女子高生を組み合わせたアニメで、その中でも優秀な部類。
単に登山の楽しさ、敷居の低さをアピールするだけでなく、ちゃんとキャラ描写と深掘りもできている。
それが本編3分という短い中でできてるのだから驚く。
女子高生を組み合わせてみた系の、お手本のようなアニメ。
全話観ても48分という短さ、そして気軽さもオススメのポイント。
ストーリー
インドア趣味の女子高生・雪村あおいが、久々に再開した幼なじみ・倉上ひなたといっしょに登山にのめり込んでいく。
もちろん、登山の楽しさや魅力、そして敷居の低さを描いている。
それに加え、あおいが登山にのめり込んでく心の変化、周囲のキャラとの触れ合いで感じたことをちゃんと描いているのがいい。
例えば、あおいは最初はトラウマによる高所恐怖症で、登山に対してマイナスのイメージしかもっていなかった。
ところが、ひなたといっしょに登山することで、その楽しさに気付き、のめり込んでいく。
その心理面の変化をちゃんと描けている。
それができてるだけでストーリーが生まれるし、作品としての深さが生まれるのだ。
女子高生と組み合わせてみた系でこれができてないアニメが本当に多い。
これが例えば、自分が最近観た作品の「ラーメン大好き小泉さん」的に描くと、山の知識が豊富な小泉さんがいろんな山の魅力を語って終わる。
それがどんなに短調でつまらないことか。
一方で、登山初心者がやってしまいそうな失敗…ペースを守らず登ってしまうといったところにも言及してるのがいい。
いくらアニメがファンタジックで現実性を気にしなくていいとは言え、現実に存在するものを出す以上、ちゃんとそのマイナス面を描くことは大事だ。
それをやらない作品もまま多い。
まぁ好みの問題なのかもしれないが。
ひとつ不満を言うのであれば、最終回が登山でないことである。
登山をテーマにしたアニメではなかったのか?と 笑
演出
3分という短さだからか、切り替えや説明の演出がうまい。
3分の中でちゃんと笑いのポイントがあり、ストーリーのアクセントになってるのがいい。
ストーリー自体のおもしろさと合わさって、飽きさせない。
音楽
EDのみだが、曲自体クオリティ高いし、主役の2人が歌っているのがいい。
スローテンポなのだけど、ちゃんとアニソン感があるのもポイント。
加えて、映像内で本編に関係があるイラストと、ノルディック柄がいい味出している。
個人的に刺さったシーン
あおいとひなたが料理対決をする場面。
ひなたに「ありがとう」と言われて、あおいが気付きを得るシーン。
そう言った細かな心の描写がおもしろい。
まとめ
実際、登山をやるかはさておいて、その楽しさは十分に分かる内容になってる。
しかも、ほぼ実在の場所と山である。
加えて、キャラクターの描写も丁寧で、心理面にもちゃんと言及してるので、とても魅力的に見える。
結果として、単に登山アニメで終わるでなく、作品としておもしろいアニメになってる。
そりゃ人気も出るわ。
ちなみに、わたしはこれを初めて観た時は登山にのめり込んだ。
最近はご無沙汰だけど、いずれ再開するつもり。