概要
Webページ:
TVアニメ「異世界食堂」公式サイト
犬塚惇平氏の小説が原作のアニメ。
原作はいわゆる、なろう系小説である。
異世界が出てくるが、転生や転移はなく、あくまで異世界の住人が現代日本の洋食屋に訪ねてくるのみ。
冒険といった要素もない。
人に勧められるか?
★★★☆☆ (5点中3点)
あくまで料理が主役。それ以外を気にしてはいけない。
異世界人を現代人より下位に見ている…というのは穿った見方かもしれないが、そういう風に見えてしまう印象は拭えない。
けど、確かに洋食屋で出される料理はとても美味しそうに見えるし、その魅力を雄弁に語る異世界人たちはみな、生き生きとしている。
見ていて飽きさせないのだ。
アニメで食事を美味しそうに見せるのはかなり難しいことなのだが、このアニメではこれが体現できていると感じる。
出てくる料理はいずれも美味しそう…普段はあまり意識しない、どこにでもありそうな料理ばかりだが、改めて食べたくなるものだ。
…がしかし。
逆に言うと、料理自体はありふれたものであるし、他のストーリーがおもしろいわけでもないので、勧められるか?と言われると悩ましい。
ストーリー
現代日本の洋食屋。
そこは週に1日、土曜日だけ異世界に通じる扉に変わる。
その1日だけは、異世界からの住人が、自分の一押しの料理を食べにやってくる。
異世界の住人たちは、みな自分の一押しの料理の名前が、そのままあだ名として定着している。
全員、別の名前が用意されているが、あまり呼ばれることはないため、視聴者としても覚えにくい。
が、人数がかなり多い(1話につき2人は出てくる)ので、記号としては分かりやすいのかもしれない。
ストーリーは1話完結、1話で2つのストーリー(料理)が描かれるため、とても分かりやすい。
あっちの異世界人のストーリーで描かれたことが、こっちの異世界人のストーリーに出てくるなんて繋がりはあるくらい。
そして、異世界人とその料理にまつわるストーリーが描かれるが、あくまで主役は料理であり、ストーリーはそのためのオマケでしかない。
なので、本作でストーリーはあまり重要ではないし、ぶっちゃけて言えば大しておもしろいわけでもない。
かといって、ないとそれはそれで料理の魅力が半減する…まさに料理の取り合わせのようなものだ。
演出
さて、本作でなにより演出で力が入っているのが、料理の描写である。
しつこいようだが、アニメで食品を美味しく見せるのはかなり難しく、描き込みが必要になってくる。
普通のアニメではここまで描かないだろう、というレベルにまで料理が丁寧に描かれている。
そのため、いずれの料理も、どこにでもあるようなありふれた料理なのだが、見た後すぐに食べたくなる。
このアニメ的には、料理をうまそうだとか、食べたいと思わせることができれば、十分成功と言えるだろう。
音楽
OPは異世界へのワクワク感を感じさせるアップテンポで、EDはアレッタ視点のスローテンポの曲である。
どちらの曲もこのアニメにとても合っていると思う。
劇伴については、料理に気を取られすぎたため、ノーコメント。
個人的に刺さったシーン
いずれの料理もとても美味しそうなのだが、個人的に好きだからという理由も含めてカレーライスの話。
普通のカレーライスと、チキンカレーがどう違うか…うまく言葉で表現できていて、個人的には好きな回である。
まとめ
流行りの異世界ものを独自の方法で表現したアニメ。
食べることが好きな人にはたまらないアニメかもしれない。
けどまぁ、特別変わった料理というわけではないし、あえて勧めることもないかな…と感じてしまう。
でも体重増加にはご注意を。