【アニメ】「オーバーロードII」レビュー

概要

Webページ:
TVアニメ「オーバーロードIII」オフィシャルサイト
※3期と共通

 

丸山くがね氏の小説が原作のアニメ、その2期。

制作会社や監督などの一部スタッフは続投しているが、多くが変更されている。

キャラクターデザインetcは変更がないため、1期からそのまま見ても違和感はない。

 
 

人に勧められるか?

★★★☆☆ (5点中3点)

圧倒的説明不足と、無駄なキャラ数の多さ。

 

1期と比べてストーリーはかなりおもしろくなってきた。

他組織視点の描写が増えたことで、ストーリーに多次元性が出てきたことによる。

だが、キャラ数が無駄に多いこと(そしてその出し方が下手)と、1期以上の説明不足感が強いことで、初見殺しになってる。

結果、オススメしやすさをかなり押し下げてる。

 
 

ストーリー

1期ではナザリック大墳墓側の様子と意図しか描かれなかった。

加えて、アインズ・ウール・ゴウンの俺TUEEEが目立ったため、ストーリーのおもしろさは特筆性はなかった。

しかし、2期ではナザリックよりも、他国や他組織の思惑、事情、視点で描かれるシーンの方が圧倒的に多い。

そのため、ストーリー構造が立体的になり、かなりおもしろみを感じられるストーリーになってきた。

 

率直に言ってしまうと、「なんで1期からこういう描き方をしなかったの?」って思ってしまった。

1期だけ見て、そのおもしろさを知らないのはもったいない。

それに2期でいきなり描き方が変わるので、見る方としても違和感がある。

最初、リザードマンばっかじゃねぇかと思ってしまった。

まぁ結果的には、段々とおもしろくなってったんだけど。

 

だが、そんないいところを大きく潰してしまうダメなところがある。しかも2つも。

1つが、キャラ数の多さと、その露出の下手さ。

1話始まっていきなり、新キャラが何人も登場してくる。

それ自体はまだいいのだが、問題はそれらキャラがそのシーン以外に出てこないことである。

ストーリーに直接絡まないキャラをバカすか出すのは、ストーリーに対する理解を妨げる。

よって明らかな悪手だ。

 

その上で、キャラクターの露出(登場のさせ方)が下手すぎる。

一般的には、キャラクターが多いこと自体は、実際は問題にならない場合も多い。

では、問題になるorならないの差はどこにあるか?というと、登場のさせ方である。

簡単にいえば、一度に多数のキャラを出しすぎると、視聴者としては誰が誰で、それぞれどんなキャラなのか?が把握しきれなくなる。

この「オーバーロード」という作品は、全体的にキャラ数が異様に多いくせに、やたらと一度に出したがる。

これもまた、ストーリー描写として考えると明らかな悪手だ。

 

2つめが、圧倒的な説明不足である。

異世界ファンタジーであるため、その異世界独特のワードはすべて視聴者には新しく知る言葉になる。

そのワードの数があまりに多すぎる。

すべてに説明が必要などという気はないが、その取捨選択はストーリー描写におけるセンスとも言える。

この作品には、そのセンスが感じられない。

その説明のバランスが悪いため、ストーリーが進んでも、キャラクターがどこの組織のどんな立場にあるのか、なかなか理解しにくい。

 

これら2つのダメなところが相乗的に、ストーリーに対する理解度を大きく阻害してる。

これはもったいないと言わざるを得ない。

せっかくストーリーはおもしろいのに、その説明不足のせいでおもしろさが感じにくくなっているのだから。

なお、原作ファンが身近にいたので話を聞いたのだが、原作ファン的には理解は困らなかったようだ。

また、アニメから入った自分では気付きにくいギミックがかなり仕込まれていることも知った。

それを考えると、本作は「原作ファン向けのアニメ」であり、「アニメから入った人をあまり重視していない」のかもしれない。

それはそれでアリだと思う…が、オススメしやすさという観点で考えると、当然ランクを下げることになる。

 
 

演出

中盤以降の戦闘シーンが派手だったが、それ以外で目立った演出はなし。

1期の真正面でぶつかるの力技な戦闘に対し、2期は変わった技やテクニカルな技が多く、駆け引きが多い印象だった。

2期の戦闘内容の方が、個人的には好みだった。

 
 

音楽

OP、ED共に1期と同じアーティストが担当。

相変わらず、いずれも作品の雰囲気に合っていてよかった。

ちなみに、個人的にはEDの曲の方が好きだし、EDのイラスト風な映像が印象的で、かなりよい。

 
 

個人的に刺さったシーン

序盤のリザードマン…ザリュース・シャシャがクルシュ・ルールーをひと目見てプロポーズをしたシーン。

それを始め、この2匹が出てくるシーンはわりと印象に残るものが多い。

笑えるものや、熱いものもいろいろ。

個人的には、ナザリック陣営よりもリザードマン陣営のが好きかもしれない。

 
 

まとめ

せっかくストーリーはおもしろくなってきたのに、もったいないところでおもしろさを潰してる。

その潰してる要素がもう少しマシになれば、オススメしやすいのに。

あと、この描写を1期の時からやらなかったことも腑に落ちない。

これが原作起因なのか、アニメ起因なのか…。

どちらにしても、アニメから入る人には、なかなかおもしろさが理解しにくい。

本当にもったいないなぁ。

 
 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です