【アニメ】「冴えない彼女の育てかた♭」レビュー

 

概要

Webページ:
TVアニメ『冴えない彼女の育てかた♭』公式サイト

1期レビュー:
【アニメ】「冴えない彼女の育てかた」レビュー

 

丸戸史明氏のライトノベルが原作。

1期の続きがアニメ化されたもの。

なお、引き続き本レビューでは2期のみをレビューの対象とする。

 
 

人に勧められるか?

★★★★☆ (5点中4点)

なんで最初からこういう作風で作らなかったのか?

 

クリエイター視点での物事の考え方、捉え方、心の葛藤、人物同士の関係性の変化などなどが現れて、物語的にかなり盛り上がりがあった。

ゲーム作りと、そのサークルをテーマにするのであれば、やはりそういったストーリーを期待したいところなのだが、2期になってようやく期待したものが出てきたなぁ、と。

 

1期は、劇中で霞ヶ丘詩羽が言ってるような、

それはキャラデザや演出の勝利ね。
脚本としては陳腐もいいとこなのに、絵とか音楽とか声優の演技でなんだかよく分からないけどすごい、みたいに押し切られているのよ。

みたいな、まさにそんなアニメだった。

というか、このセリフが出てきたときは「これなんて自虐?」と思ったものだが。。。

 

っていうか、1期のアレはなんだったのか。

最初から2期みたいな内容で作ってれば、もっとおもしろくなっただろうに。

1期はすべて2期のための前置きだったのか。

本当に勧めたいのはこの2期だが、2期のためにとりあえず1期を見ることをオススメする。

 

なお、マイナス1点はやはり安芸倫也というキャラクターが好きになれない…ハーレムアニメでよくあるような鈍感さが、鼻につくレベルなので。

 
 

ストーリー

変わらずゲーム制作に励む、blessing softwareの面々。

冬コミまで1ヶ月を切る中、シナリオと原画、それぞれで大きな波乱を迎えようとしていた。

果たして、blessing softwareのゲームは冬コミに出せるのか?

 

この2期では、1期と比べて明らかにいい部分がいくつも存在する。

まずひとつが、クリエイターとしての考え方、葛藤、苦難とそしてゲーム制作のチームワークがストーリーに盛り込まれており、それがテーマになっていることである。

1期ではメンバー集めが主なテーマだったこともあって、そのあたりの描写がほぼなかった。

加えて、1期ではメンバー集めがテーマであるのに、そのメンバー集めに関する描写と説明がダメダメだった。

しかし、2期では上記がテーマになっており、きちんとその描写がされているので、ストーリーとしてグッとおもしろくなっている。

さすが、著者自身が普段から感じているのか、その辺りは得意分野なのだろうか。

 

個人的に「おっ」と思ったのは、詩羽の上げてきたシナリオの良し悪しを判断するのにゲームに組み込んでみよう、という話になった展開である。

その後、詩羽の上げてきたシナリオにダメ出しをするのだが、それが実際にゲームでプレイないと気付かない欠点だったのである。

ちゃんと理由付けがしっかりしたシナリオ展開ができてる証だ。

 

ふたつめが、2期では、ちゃんと安芸倫也が仕事をしてるシーンが見られたことだ。

1期では仕事をしている描写がほとんどなく、プロデューサーの名の下であれこれコメントしてるだけにしか見えなかった。

一応、作業してるらしいことが雰囲気では分かったが。

しかし2期では、進捗が遅れている作業へヘルプに入ってたし、ちゃんとその描写があった。

この手の主人公は口ばっかりで「で、こいつは何してるんだ?」という描写が多く、1期の倫也はそんな印象があった。

その点が改善されてたのはよかった。

 

みっつめは、倫也と恵の不仲の理由がサークル活動におけるものだったことだ。

この手のアニメだと、サークル活動とは関係ないところ…例えば人間関係がらみで不和になるケースが多い。

それだけだとリアルっぽいのだが、実際は主人公との恋愛要素的な意味での不和になるケースばかり。

ありきたりすぎておもしろくない。

ちなみに、1期ではそんな要素もあった。

けど、今回の恵は、倫也と同じサークルのメンバーとして対等の立場として考えて、だからこそ恵は怒ったのだ。

ゲーム作りとそのサークルをテーマにしているのだから、そうでないとおもしろくないというものだ。

 

というわけで、2期はシナリオとしてのおもしろさがグッと上がっているのだ。

1期もちゃんとテーマに沿った、ちゃんと理由付けをしたシナリオだったらおもしろかっただろうに。

 
 

演出

相変わらず力の入った演出。

けど、前作と比べると演出の量は抑え気味か。

今作では、前作で時々見られた桜の花びらの描写は見られない。

個人的には、英梨々が雪の中の別荘に閉じこもって、森を背景に絵をイメージしてるシーンが好きだ。

美しい背景に、キャラクターをどう描写するかイメージしてる、なかなかよいシーンである。

 
 

音楽

OPとEDそれぞれ、変わらずいい曲。

なお、OPは映像に前作以上に力が入ってていいものになってるし、曲と合わせてとても印象深い。

そして、EDは映像が1期の主要シーンを描写しつつ、歌詞が恵視点を思わせる内容で、これまた印象深い。

どちらもいいものになってる。

今回も劇伴はノーコメント。

 
 

個人的に刺さったシーン

まず上記の、英梨々の雪の別荘でイメージを浮かべてるシーン。 

英梨々は好きになれないキャラだが、このシーンはとても印象的だ。

 

続いて、終盤の恵とのデートシーン。

ここまでの総決算のような内容になっていたからだろうか。

 
 

まとめ

というわけで、2期おもしろかったなと素直に感じた。

1期を見た時は、いいアニメなんだけどなんかモヤモヤするという印象だった。

おかげで、何回か見直さないとモヤモヤがすっきりしなかった。

けどこの2期は、もう見てたそばからおもしろいと感じてた。

2期見るまでは興味がなかった劇場版だが…どうしようかな、見に行くか。。。

 
 

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